2013年8月15日、花火大会でにぎわう福知山市の会場で、大規模な爆発事故がありました。
当時10歳だった山名空くんをはじめとする死者3名、負傷者59名を出し、屋台3棟を全焼させたこの惨事はなぜ起きたのでしょうか。
今回は2013年の福知山花火大会爆発事故について調べました
- 【福知山花火大会露店爆発事故】の死者は3名
- 【福知山花火大会露店爆発事故】の原因は?
- 【福知山花火大会露店爆発事故】の影響は?
【福知山花火大会露店爆発事故】の死者は3名
亡くなられた3名は京都府立医科大学付属病院に入院しておられたようです。
山名空くん(10歳)
山名空くんは事故から4日後の2013年8月19日に亡くなりました。
亡くなられた時はまだ小学5年生、10歳だったと言います。
野球が好きで、少年野球のチームに入っていました。
空くんは祖父や祖父の友人と福知山花火大会に出かけて事故にあいました。
空くんは事故が起きたベビーカステラの屋台のごく近くにいたようで、次項の竹内さん共にガソリンを直接浴びてしまった可能性があるようです。
死因は「重症熱傷」でした。
竹内弘美さん(44歳)
竹内弘美さんが亡くなられたのは事故の2日後である17日です。
竹内さんは前項の空くんをかばって、炎やガソリンをもろに浴びてしまったようで、火だるまになっていたことが確認されています。
竹内さんは火だるまになって露店裏のコンクリート階段から河川敷に転がりおりました。
周囲の人が協力して何とか炎を消した時には、すでに服が焼け落ちてしまっていたそうです。
竹内さんは空くんの祖父の友人だったそうです。
死因は全身のやけどにより血流が不十分になって内臓が正常に機能しなくなったことによる「循環血流減少性ショック」でした。
黒田直希さん(35歳)
黒田直希さんは空くんと同じ8月19日に亡くなりました。
黒田さんについての情報はほとんど見つかりませんでした。
死因もはっきりとした記述は見当たりませんでしたが、「大やけどで入院」であったのは間違いないようなので、空くんと同じ重症熱傷の可能性が高いかと思われます。
心よりお3方のご冥福をお祈り申し上げます
【福知山花火大会露店爆発事故】の原因は?
事故の現場となったベビーカステラの屋台は、事故の年から設置された有料席からほど近い河川敷の階段のすぐ上にありました。
河川敷のその場所は有料席ではない場所では花火見物の一等地だったそうです。
きっかけは発電機への給油
爆発のきっかけとなったのは、ベビーカステラの屋台の店主渡辺良平が、発電機に給油するためにガソリン携行缶の蓋を開けた事でした。
蓋を開けた途端ガソリン携行缶からはガソリンが噴き出し、周囲の屋台や人に飛散しました。
とっさに店主が人にガソリンをかけるのを避けようとガソリン携行缶を動かしたことも、飛散範囲を広げてしまった節があります。
飛散したガソリンは引火して爆発しました。
高まっていたガソリン携行缶の内圧
事故当日は花火大会に相応しい、良いお天気だったようです。
問題のガソリン携行缶は事故の時点ですでに真夏の炎天下に5時間以上置かれていました。
店主はこの携行缶を発電機からいくらか話して置いていたようですが、若いカップルが座る場所を開けるために、携行缶を発電機の近くにずらしたことで、携行缶は発電機が発する熱風をもろに受ける形になっていました。
これらの「熱」がガソリン携行缶の内圧を高めていたことが、ガソリンが噴き出す原因となりました。
店主はエア調整ねじを緩めなかった
ガソリン携行缶は開ける前に、エア調整ねじを緩緩めなければいけません。
携行缶は野外で使われることが多いものですので、当然内圧対策が施されています。
それが「エア調整ねじ」です。
これは気化したガソリンにより高まった内圧を下げるためのもので、蓋を開ける前に緩めることで内圧でガソリンが噴き出す事態を防ぎます。
炎天下に置かれていただけでなく、熱風を浴びていた携行缶は、触ればわかる程度に高音であった可能性が高いと思われます。
そもそもが携行缶を開けるときはまず、エア調節ねじをゆるめるべきです。
もしも店主が最初にこのねじを緩めていれば、これほどの大事故が起きた可能性は低いと考えられます。
重傷者の4割は子供
夏休みの花火大会でおきたこの事故で火傷による重傷を負って入院した被害者は28人。
そのうちの約4割に当たる11人が3歳から14歳までの子供でした。
死亡記事は見つからなかったので命はとりとめたようですが、12歳の男児と8歳の女児は事故後1週間の時点で重体だったようです。
【福知山花火大会露店爆発事故】の影響は?
【福知山花火大会露店爆発事故】は大きな影響をもたらしました。
事故が起きた花火大会はもちろん中止となりましたが、同年9月の台風18号の影響ともあいまって、福知山市では多くのイベントが中止されました。
2014年春にはすでに「花火大会」の中止が決定され、以後2023年まで10年間、花火大会はおこなわれませんでした。
同じ京都府下で福知山花火大会と並ぶ大規模花火大会だった宇治川花火大会も、この事故の影響で2014年から無期限休止の状態となり、2017年12月には正式に廃止されています。
事故を出した屋台の店主は禁固5年
出火元の店主自身も全治3か月から6か月の重傷で、事情聴取ができるまでに相当の時間がかかったようです。
店主が「業務上過失致死」と「業務上失火罪」で逮捕されたのは2013年10月2日の事でした。
2014年に京都地方裁判所で禁固5年の実刑とする判決が下されています。
花火大会は今年11年ぶりに復活
屋台は店主の身元がしっかりした15店舗に限定、炭火、およびIH調理器具以外の調理器具を認めないという形で安全を確保したほかに、事故の現場となった堤防上の道路は封鎖されました。
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まとめ
- 2013年8月15日に【福知山花火大会露店爆発事故】がおきた。
- 3名の死者には当時10歳だった山名空くんが含まれていた。
- 事故原因は屋台店主がエアを抜かずに携行缶の蓋を開け、ガソリンを噴出させたこと
- 事故の影響で宇治川の花火大会が廃止された。
- 今年福知山花火大会は11年ぶりに復活した。
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