【光る君へ】2話の感想とあらすじ・ネタバレ解説!道兼の汚れ仕事が辛い!

この記事でわかる事
  • 【光る君へ】ネタバレ解説
  • 【光る君へ】第2話感想
  • 【光る君へ】源氏物語モチーフの場面
目次

【光る君へ】ネタバレ解説

ネタバレ解説
  • 第2話のあらすじ
  • 裳着って何をするの?
  • 女性が代筆仕事をするっておかしいの?
  • 式部丞の蔵人ってなに?
  • 中宮って他の女性と何が違うの?

第2話の流れ

物語は永観2年を舞台としていますが、背景をわかりやすくするため少し前の出来事も記載しました。

第2話あらすじ年表
年(西暦)出来事
天元3年(980)懐仁親王誕生(母は詮子)
道長が従五位下右兵衛権佐となる
天元5年(982)藤原遵子が中宮となる
永観2年(984)まひろの裳着が行われる
兼家は詮子に里下がりするように説得する
まひろが男のふりをして町の絵師の元で代筆の仕事をしている
代筆の帰り道にまひろは三郎と再会する
詮子が久しぶりに訪れた円融に冷たくあしらわれる
兼家が道兼に円融に毒を盛るように命じる
為時が東宮に
まひろが為時に代筆仕事を禁じられる
為時はまひろの雇主であった絵師にも口止めする
三郎は絵師を訪ねるがまひろのことを否定される
まひろは道長が人違いで放免に拘束されるのを止めようとする

裳着って何をするの?

裳着とは女性の成人を祝う儀式です。

第2話は第1話の6年後、15歳になったまひろが裳着を行うところから始まります。

腰結をつとめるのは父の友人である藤原宣孝。まひろの後の夫です。

腰結:裳着で裳の腰ひもを結ぶ役目。男性の成人式である元服の冠をかぶせる役割と並んで、成人後の後見人という意味合いもある重要な役目だった。

まひろは美しい十二単を身につけていますが、あまりうれしそうではありません。

長袴と単の上に何枚も袿を重ね、さらに打衣や表着、唐衣まで羽織って裳を後ろに引く貴族女性の正装は、相当に重く動きにくい衣装です。

書き物をするにも汚すことを気にしなければならず、行動的なまひろにとっては煩わしい服装だと言えるでしょう。

ところでこの豪華な衣装を、為時はどうやって用意したのでしょうか。

東宮に漢詩を教えるようになったことで、為時の経済事情もある程度は安定していることでしょうが、貴族の正装は大変に高価な品でした。

まひろが身に着けた十二単はおそらくは知り合いから借りた可能性が高いのではないかと思われます。

貸してくれたのはまひろの腰結をつとめた宣孝ではないでしょうか。

宣孝は為時と違って、安定した官歴を築いています。この頃は六位の蔵人をつとめていました。

また、まひろとあまり年の違わない男の子がいたことはわかっています。

裳着は12~3歳から15~6歳ごろに行う儀式ですが、何歳で執り行うかはっきりと決まってはいませんでした。

もしかしたらまひろより先に裳着をした女の子がいたのかもしれませんし、そうでなくても顔の広い宣孝なら、十二単を借りる伝手も多そうです。

裳着のあとにまひろが重い十二単を脱ぎ捨てて本を読んでいる描写がありましたが、できれば机に向かう前に、ちゃんと十二単をかけておいてあげて欲しかったとは思います。

女性が代筆を仕事にするのはおかしいの?

まず、貴族女性が市井に立ち混じって働くことが、相当にあり得ない事態と言えます。

零落した貴族女性が不幸にも遊女になったり、尼になったりした例なら文献にも見受けられますが、積極的に代筆を請け負った例というのは、寡聞にして知りません。

そもそも貴族の女性でも必要とされる教養は仮名文字と古今和歌集の暗記程度で、縫物や染め物ができる方が中級以下の貴族女性の技能としては重視されていました。

「女と鬼は人目に触れない方がいい」などと言われ、貴族女性というものは自由に市井を歩き回る存在ではなかったのです。

まひろがどこであの雇い主の絵師と知り合い、どういういきさつで代筆仕事を始めたのか、とても気になります。

式部丞の蔵人ってなに?

為時が東宮に「俺が即位したらお前を式部丞の蔵人」にしてやると言われていました。

いったい、式部丞の蔵人というのはどのような地位なのでしょう。

まず式部丞というのは式部省の役人の地位です

式部省:人事や大学寮(役人養成機関)を司る部署

人事だけでなく官吏の教育に携わる仕事は、学者である為時にはぴったりだと言えそうです。

式部丞の蔵人というのは、さらに六位蔵人を兼任することを言います

蔵人は天皇の秘書官や雑用をつとめる職務で、高官との接点も多いために出世の糸口をつかめることも多い役目でした。

ちなみに第2話の道兼も蔵人ですが、五位蔵人といい、六位蔵人とは別枠の上級貴族の子息がつとめることが多い役割です。

中宮ってほかの女性と何が違うの?

中宮というのは現在の皇后の別名です。

天皇に侍る女性たちの中で、「中宮(皇后)」だけが皇族として扱われます。

細かいところを気にせずに極言すれば、中宮というのは天皇の配偶者という「立場」ですが、それ以外の女性は「職務」として天皇の寝所に侍る存在であったといえます。

この中宮という立場を手に入れるために重要なのが、天皇の跡継ぎである皇子を生むことでした。

詮子は唯一の皇子を生みながら、「中宮」という立場を他の女性に奪われていたわけです。

相当に屈辱的な立場であったと言えるでしょう。


【光る君へ】第2話感想

第2話冒頭でまひろの裳着が描かれ、早くも子役から本役に変更されていました。

第2話で印象に残ったこと
  • 為時が大変そう
  • 袴をはくようになったまひろと太郎
  • 父に汚れ仕事を命じられる道兼

感想は以後の歴史にも触れますのでネタバレを含みます。ご注意ください

為時が大変そう

為時のこの6年は大変だったようです

為時の周囲の子供たち
  • まひろ:母の死にまつわる処置に怒り、父とろくに口をきかない
  • 太郎:勉強がきらいでやる気もない
  • 東宮:まともに勉強しない。女性関係が乱れている

為時は家では息子の太郎に、仕事として東宮に漢文を教えていますが、どちらも出来は悪いようです。

最も出来が良い娘のまひろは、母の死以来、父親とろくに口もきいていません。

友人の宣孝にもぼやいていますが、どこに行っても居心地が悪くて辛そうです。

よく、他の女性の家に本拠地を移さなかったものだと感心します。

この時代の結婚は現在よりもずっと緩やかなつながりで、嫡妻と見られていた人が入れ替わることも珍しくはありませんでした。

そもそも嫡妻でなければ日陰者かと言えば、そんなことはありません。

そういえば残念な感じに早熟な東宮は、母娘の両方に手を付けた事を為時に話していました。

ちなみにこれは実際にあったことのようで、中務と呼ばれる女房とその娘の両方に皇子、皇女を生ませたという話が残っています。

本当に大変な6年間だったろうと思うよ

袴をはくようになったまひろと太郎

6年成長したまひろと太郎は、さすがに袴をはくようになっていました。

冒頭の十二単は特別な正装ですが、邸でのまひろは切り袴をはいて衵を重ねていました。

弟の太郎は童水干という元服前の男児が着る装束を身に着けています。

6年前の為時の邸でも、ちやはや太郎の乳母のいとはちゃんと袴と袿を着用していましたので、経済状態だけが問題なわけではないでしょうが、経済的に安定した様子は、邸の調度などにもうかがえました。

まひろはこの6年の間に、どんな経緯があってか絵師のもとで代筆仕事をするようになっています。

裳着をするような年齢の貴族女性が庶民に身をやつし、男のふりをして代筆仕事をするというのは、もう行動的というよりは「やんちゃ」とか「破天荒」の部類でしょう。

もしも貴族社会に知られた場合、外聞が悪いどころの話ではなかったのではないでしょうか。

貴族社会というのは血縁が錯綜し、がんじがらめになった狭い社会です。悪い評判などというものは驚くほどに素早く広がっていきますし、つまらないことが出世や立場にも響きます。

まひろが代筆仕事をしている事実を知っていた「いと」が為時に出世の道が開けたと知ってやめさせようとするのは無理のない話ですし、為時がまひろに激怒して閉じ込めようとするのも当然です。

父に汚れ仕事を命じられる道兼

第1回でちやはを殺した道兼は、父兼家にその事実を知られていました。

そしてその「家の名を汚した」という事実を盾に、帝に毒を盛ると言う「汚れ仕事」を強いられます。

道兼が本当に円融帝に毒を盛ったのかはわかりません。

ですが、道兼が後に花山天皇をだますようにして出家させているのは事実です。

さらに兼家という人物には、我が子にこのような命じ方をしかねない酷薄なところがありました。

兼家の兄で当時の関白の兼通が死病の床についている折に、兼家はその門前を見舞うことなく通り過ぎて、天皇に自分を兄の後任として関白にしてもらえるように奏上しに行った。

お兄さんが死にかけてるのに素通りしたんだ

てっきり自分の見舞いに来たのだと思って門を開き、兼家を迎え入れる準備をしていた兼通は、兼家の行動に激怒し、病の体に鞭打って参内し、最後の除目(人事異動)として従弟の左大臣頼忠に関白を譲り、兼家を降格したそうです。

お兄さんも死にかけてるのに仕返ししたのか

第2話時点での関白は頼忠で、まさにこの報復人事の結果です。

道兼がちやはを殺した時に従っていた従者は始末されていました。

為時がちやはの死を闇に葬ったことをまひろはずっと怒っているようですが、道兼の非道を言い立てたりすれば、為時一家も葬られた可能性はありそうです。

為時の判断は、つらくても英断だったのかも…

【光る君へ】源氏物語モチーフの場面

源氏物語を意識していると思われる場面
  • 代筆仕事で書いた夕顔の歌:「夕顔」で源氏が読む歌

第2話にはズバリ源氏物語の作中の和歌が出てきました。

よりてこそ それかとも見め たそがれに ほのぼの見つる 花の夕顔

読み書きのできない細工師が、お屋敷に仕える女性に贈るためにまひろに代筆してもらった歌として登場したこの和歌は、夕顔が扇に書き付けた和歌に対する源氏の返歌として源氏物語に登場します。

まとめ

  • 物語は第1話から6年進む
  • まひろは裳着を迎えて成人する
  • まひろは親に隠れて代筆仕事をしていた
  • まひろと三郎は再会するけれどすれ違いがち
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