- 【光る君へ】ネタバレ解説
- 【光る君へ】第5話感想
- 【光る君へ】源氏物語モチーフの場面
【光る君へ】ネタバレ解説
- 第5話のあらすじ
- 祈祷は病院に行く感覚で
- 道長たち三兄弟はイケメンだった?
第5話のあらすじ
物語は引き続き永観2年を舞台としています。
年(西暦) | 出来事 |
永観2年(984) | 五節の舞の翌日まひろは為時と「みちかね」について話す まひろは左大臣家の会をさぼって物思いに沈む 道長は夕餉の折に帝について父や兄たちと話し合う 道長からまひろに文が届く 直秀の手引きでまひろと道長は廃邸で会う 道長が「道兼の殺人」を知る 道長が道兼を問い詰める |
祈祷は病院に行く感覚で
五節舞のあとに倒れてから、死んだように眠るまひろのために祈祷の僧侶と憑坐(よりまし)が呼ばれました。
呼んだのは太郎の乳母ですが、これは乳母が「迷信深い」というわけではありません。
この時代に病気になった場合、僧や陰陽師に祈祷を頼むのが普通でした。
まひろのために呼ばれたのは、特に位が高そうなそうでもありませんでしたので、診療所とか気軽な個人医院感覚でしょうか。
これが貴顕の家ならば、名のある僧がそれなりの寺から呼ばれますし、病が重いとなると何人もの僧侶が病人のそばで読経します。
いよいよ危ないとなった場合は起死回生の手としての「出家」もありました。
この場合の出家はその功徳で病が直ることを期待して行うものです。
気分としては「大手術」でしょうか。
投薬や簡単な手術も行われてはいますが、あまり一般的ではなく、病気と言えばまずは祈祷を受けることが普通でした。
道長たち三兄弟はイケメンだった?
土御門殿で令嬢たちが道長たち三兄弟の噂で盛り上がるシーンがありました。
千年も昔の話ですので、もちろん確かな画像などは残っていないのですが、この三兄弟の容貌についての評判はどうだったのでしょうか。
- 道隆:容貌が端正で立ち居振る舞いが美しい
- 道兼:顔色が悪く毛深い
- 道長:豪快な性格。文学を愛好
長男の道隆はイケメンだったようです。
見た目もよくて。立ち居振る舞いもきれいで、明るい性格で、気配りもできる。
文句のつけようがありません。
次男の道兼は毛深く顔色が悪かったそうですから、イケメンとは言いにくそう。
最後の道長はもう容貌ではありませんが、裏返せば印象的な容姿というわけではなかったのだとも考えられます。
これは道兼が可哀想な感じ
【光る君へ】第5話感想
- 帰っちゃった道長
- 倫子の婚活
- 猛毒親、道兼
帰っちゃった道長
道長と会うためのセッティングを、まひろに頼まれた直秀は頑張りました。
ひとけのない廃邸、だけどそれほどみすぼらしすぎない。
もしかしたら前もって雑巾の一つもかけていたのではという気さえします。
そんなに頑張ったというのに、話はイマイチ色っぽい方に行かないし、泣き出したまひろを置いて肝心の道長が帰ってしまう。
「帰るのかよ…」
彼のこのセリフには、きっとすべての視聴者が共感したのではないでしょうか。
あの状態のまひろをまかされてどうしろというのかと、直秀に代わって道長に問い詰めたい気持ちでいっぱいです。
きっとまひろが泣き止むまで、おろおろと見守っていたのでしょうね。
まひろは深夜になって一人で帰宅しますが、おそらくその帰り道を、直秀はそっと護衛していたのではないかと思います。
倫子の婚活
父である源雅信を訪れていた道兼の前に、猫を追いかけてちらっと姿を見せた倫子。
あれはもう、婚活という事ではないでしょうか。
この時、倫子はすでに二十歳を越えています。十代のうちに婿を迎えることが多い当時の貴族女性としては、すでにかなりの年齢でした。
倫子は雅信が45歳の時の子供でした。
言うなれば末っ子の、それも娘となれば手放しがたいのも当然ですし、場合によっては入内を考えてもいたのでしょうが、残念ながら倫子は入内の機会を逸してしまっていました。
「噂に聞く三兄弟の父親なら」と倫子が考えたとしても不思議ではありません。
猛毒親、道兼
今回も道兼の毒親っぷりがすごかったです。
わき腹の次男道兼には可愛いと言いながらも「身の程をわきまえよ」と念を押す。
きっと道兼の中では子供たちの序列や配置が決まっているのでしょうね。
この道綱のお母さんは「蜻蛉日記」の作者ですが、つれない仕打ちばかりする道兼を締め出したこともあったという女性でした。
この時兼道に贈った歌が百人一首にも選ばれています。
なげきつつ ひとり寝る夜のあくぬまは いかにひさしきものとかは知る
道兼に「汚れ役」を割り当てられた」道兼は本当に可愛そうです。
そもそも癇癪が抑えられずに、ちるふを殺したのが悪いことは確かなのですが。
道兼がさせてるのだって「償い」ってわけじゃないもんね
あげくに道長に「熱き心」があってよろこぶとか、 この親の顔をどんな顔をしてみるのが、息子たちによって正解なのでしょうか。
今回、道兼が「父に言いつけた」道長を恨んでいた可能性も感じられました。
あの毒親の下では何もかもがねじれてしまいそうで心配です。
【光る君へ】源氏物語モチーフの場面
- 物思いに沈みながら琵琶を弾くまひろ:明石の上は琵琶を得意としていた
- 猫を追いかけて出てくる倫子:女三宮が柏木に姿を見られるところ
- まひろと道長が会った廃邸:「夕顔」の夕顔が死んだ廃邸
明石の上を彷彿とさせるまひろの琵琶
まひろが琵琶を弾くシーンは源氏物語の明石の上を彷彿とさせました。
前に倫子が琴を弾くシーンがありました。
源氏物語の「若菜下」には源氏をめぐる女性たちが集まって、女楽を行う様子が描かれています。
紫の上、明石の女御、女三宮という身分の高い三人は、それぞれに種類の違う「琴」を弾きますが、身分が劣る明石の上が琵琶を担当していました。
明石の上は源氏の寵愛を受け一女を授かっていながらも、身分をわきまえて控えめに身を処する女性です。
まひろにあえて琵琶をつま弾かせるこのシーンは、道長の嫡妻となる倫子の琴と対比になっているように思えます。
猫を追いかけて出てくる倫子
猫と言えば女三宮。
これはもはや源氏物語のお約束です。
猫に結んだ紐が御簾をずらしたのに気づかず、うっかりと立ち姿を見られたのが、源氏の幼な妻、女三宮の悲劇の始まりでした。
女三宮:源氏の晩年の嫡妻。心ならずも密通して薫を生む
もっとも倫子はむしろちゃっかりと、評判の三兄弟の父に自分を売り込みに来た感じもしましたが。
「夕顔」を思わせる廃邸
「夕顔」は源氏と共に忍んでいった廃邸で物の怪に命をとられる女性です。
かなり印象的なシーンですので、ご存じの方も多いのではないかと思われます。
今回、道長とまひろの「逢引」に使われた廃邸は、明らかに「夕顔」をモチーフとしていると思われます。
この時の経験が紫式部に「夕顔」の死のシーンを書かせた、という感じではないでしょうか。
まとめ
- 直秀の「帰るのかよ」に共感した
- 倫子が兼道に姿を見せたのは婚活だと思う
- 今回は源氏物語モチーフが多かった
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