4月からスタートした朝ドラ「虎に翼」は、日本初の女性弁護士となった三淵嘉子さんをモデルにしています。
猪爪寅子の父逮捕のシーンは衝撃でしたが、実際の三淵嘉子さんの父親は逮捕されていません。
三淵嘉子さんの父親と朝ドラ「虎に翼」の父親との違いを調べてまとめてみました。
この記事で分かること
- 「虎に翼」寅子の父親は逮捕される?
- 猪爪寅子の父親はどんな人?
- モデル三淵嘉子の父親との違い
- 三淵嘉子の父親はどんな人?
これらについてみていきましょう。
目次
「虎に翼」寅子の父親は逮捕される?
ヒロイン寅子の父・猪爪直言は、共亜事件で逮捕されました。
帝都銀行経理第一課長だった父は、突然、贈賄容疑で逮捕で逮捕されてしまいます。
父の逮捕をきっかけに、政財界を巻き込む、株式投資をめぐる大汚職事件に発展していきます。
総勢16名検挙とあり、寅子の父直言の写真も載っています。
この事件には直接関わっていませんでしたが、三淵嘉子さんの父が勤めていた銀行に関係した大きな事件があって、それにヒントを得ていると、プロデューサーが話しています。
昭和初期に起きた「帝人事件」かと思われます。
「とんでもないことをした」と自白しているシーンもあり、本当にかかわっていたのでしょうか。
寅子に法律を学ぶことを勧めた法学者の穂高重親が、自白しては無実の主張はできないと話していて、濡れ衣の可能性が高いです。
共亜事件のモデルとなった帝人事件についての詳しいことはこちらです。↓↓
猪爪寅子の父親はどんな人?
寅子の父は、猪爪直言、帝都銀行に勤めています。
両親を早く亡くし、弁護士目指して夜学に通いながら帝都銀行で働く佐田優三を下宿させていますが、合格発表を一緒に見て、一緒に落ち込むやさしさを持っています。
お見合いを嫌がる寅子を応援したい気持ちもあるのに、妻には頭が上がらないのです。
母のいない間に進学を決めて願書も出してしまうということに、寅子の担任の先生までが、おかあさんが戻ってからの方がいいのでは忠告するほどでした。
父が母を説得するからとはしゃぐ寅子と父を見る佐田の目は、心配しているように見えます。
母が戻っても、全然言いださない父に寅子は目で訴えていましたね。
母が不在の間に入学願書をだしたエピソードは、三淵嘉子さんの実際のエピソードでした。
嫁の貰い手がなくなると泣いたといいます。
兄の結婚式の日、寅子が法を学ぶきっかけをくれた穂高重親教授が、実は父直言の恩師であり、母との結婚のキューピットでもあったことがわかりました。
父は明律大学出身ということだ思っていたのですが、父逮捕の新聞に載っていた経歴を見ると、東京帝大卒で、シンガポールやニューヨークの海外勤務の経験があると書かれていて、こちらも三淵嘉子さんの父の劣らずエリートだったのです。
穂高重親教授は、その当時は、東京帝大で教えていたということですね。
そして、寅子がシンガポールで生まれたという話は出ていないので、日本に戻ってから生まれたということなのでしょう。
モデル三淵嘉子の父親との違い
三淵嘉子さんの父親、武藤貞雄さんは、逮捕されていません。
ドラマとの一番大きな違いは、三淵嘉子さんが弁護士を目指したのは、父の言葉からだったというところです。
三淵嘉子さんは、小さい頃から普通のお嫁さんになる女にはなるなと、政治や経済を理解し、職業婦人になるよう言われて育ったのです。
医者か弁護士はどうかと言われ、血は怖いから医者は無理だと思っていたようです。
ドラマで普通の家庭としたことで、ヒロインの寅子が、結婚をせかされることに疑問を感じ、たまたま行った大学で法律に触れ、女性の差別を知っていく場面が描かれます。
法律を学びたいと思っていく様子が実感できて、ドラマを観ている人が寅子とともに法律を知り、同じように差別に憤り、ヒロインに共感していきます。
ヒロインに共感できることは、ドラマがおもしろいと思う一番の理由だと思います。
三淵嘉子の父親はどんな人?
三淵嘉子さんの父の武藤貞雄さんは台湾銀行勤務で、シンガポールやニューヨークなど海外勤務もありました。
武藤貞雄さんは、妻のノブさんとともに香川県丸亀市出身です。
代々丸亀藩の御側医だった宮武家に生まれて、武藤家に婿養子に入り、三淵嘉子さんの母となるノブさんと結婚しました。
ノブさんもまた、武藤家の実の子供ではありませんでした。
ノブさんの実の父親が亡くなり、6人兄弟の末っ子だったノブさんは、子供のいない父の兄の養女となったのです。
地元の名家である武藤家を存続させるため、血のつながりのある姪に婿養子をとったということですね。
資産家で裕福でありながら倹約家だった義母に、ノブさんは厳しくしつけられたといいます。
家事をすべてしっかりこなして夫を献身的に支えて、子どもの教育もできるという、いわゆる“良妻賢母”が、女性のめざすべき姿だと信じられていた時代に、ノブさんも、そのように育てられました。
三淵嘉子さんの父貞雄さんとの結婚は、まさに帝大でのエリート銀行との良縁を掴んだ、というところだったのでしょうね。
丸亀の名家ではありましたが、地元に残らなければいけないということがなかったのですね。
中折れ帽に蝶ネクタイに三つ揃いのスーツでもキザに見えなかったのは、丸顔でロイド眼鏡で団子鼻とチョビ髭がユーモラスだったからだといいます。
シンガポール支店に勤務している時に三淵嘉子さんは生まれ、ニューヨーク支店には単身で赴任し、母と三淵嘉子さんは丸亀で暮らしました。
1920年に帰国し、一家は東京に住むようになりました。
ドラマでは2人の息子と1人の娘がいますが、実際には三淵嘉子さんは長女で、その下に4人の息子がいました。
三淵嘉子さんと書生の和田芳夫さんの結婚も、父がきっかけを作っています。
父の貞雄さんは、台湾銀行から紡績会社の重役となった後、川崎市の登戸に、発煙筒や焼夷弾を造る工場を建てました。
麻布にあった自宅は、空襲の時の延焼を防ぐためという理由で、軍の命令でこわされ、4人の弟たちはそれぞれ下宿したりなどしていたため、妻と2人だけが登戸の工場近くに引っ越しました。
昭和22年妻ノブさんが脳溢血で亡くなったあと、武藤貞雄さんも肝硬変で亡くなりました。
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まとめ
朝ドラ「虎に翼」とモデル三淵嘉子さんの父親の違いについて調べました。
- 「虎に翼」の事前番組では、父の直言が逮捕される場面が出てきますが、三淵嘉子さんの父は逮捕されていません。
- 猪爪寅子の父は、帝都銀行に勤めていて、とてもやさしくて、寅子の味方になりたいと思っていますが、妻ノブには頭が上がりません。
- ドラマとの大きな違いは、三淵嘉子さんが弁護士を目指した理由が、父の言葉からだったことです。
- 父は三淵嘉子さんに医師か弁護士になることを勧めていました。
- 三淵嘉子さんの父武藤貞雄さんは、香川県出身で台湾銀行に勤め、海外勤務もしていたエリートでした。
コメント
コメント一覧 (2件)
虎ちゃんのお兄さんは1人だけでは?
2人いましたっけ?
「父親が無実の罪で逮捕」という設定の元ネタは事件のモデルとなった帝人疑獄事件で被告の一人になった大蔵省特別銀行課長大野龍太氏(のち大蔵次官)の息子の大野正男氏(のちに弁護士、最高裁判事)のエピソードだと思います。
正男氏は事件当時7歳で父親が逮捕された事を母親や親族は知らせず「お父さんは海外出張に行っている」とウソをついたのですが、既に父親から新聞の読み方を習い習慣化していた正男氏は父親の身に起こった事を知っており、一人事件の成り行きを見守っていた経験が弁護士志望へとつながったと語っていますのでこのエピソードをドラマに取り入れたのだと思います。