朝ドラ【虎に翼】思いがけず猪爪寅子の背中を押す形になってしまった、松山ケンイチさん演じる桂場統一郎が気になりますね。
話が終わらなくて、なかなか団子が食べられず、ずっと手に持ったままがかわいくて話題です。
なぜ石田和外(いしだかずと)がモデルと言われるのか、三淵嘉子との関係も解説します。
この記事で分かること
- 松山ケンイチ演じる桂場等一郎のモデルは石田和外!!
- 1話で猪爪寅子が会いに行った人事課長
- 猪爪寅子の父の事件の裁判官
- 石田和外の経歴
- 三淵嘉子との関係
- もう1人モデルの人物がいる?
これらについてみていきましょう。
目次
松山ケンイチ演じる桂場等一郎のモデルは石田和外!!
桂場統一郎のモデルは石田和外と言われています。
気鋭の裁判官で、司法の独立を重んじています。
寅子には、女性が法律を学ぶことの疑問を向け、無理だと反対するのですが、その言葉が寅子の母の気持ちを変えました。
この先、法律の世界での手ごわい先輩となりそうですが、実は甘党です。
5話では団子を手に持ったまま、食べるタイミングを逸してしまっている姿がかわいいと話題になっています。
石田和外さんがモデルだと言われる理由を次から解説します。
1話で猪爪寅子が会いに行った人事課長
三淵嘉子さんが司法省に裁判官採用願を提出した、1947年当時の人事課長が石田和外さんでした。
1話、猪爪寅子は新聞を読んでいます。
日本国憲法第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
スーツに着替え、神妙な顔である建物に入っていきます。
人事課長を訪ね、会いに行ったのが桂場統一郎でした。
そこから、猪爪寅子の女学校時代に飛んで、ドラマが始まりました。
猪爪寅子の父の事件の裁判官
プロデューサーが猪爪寅子の父が逮捕される事件のヒントにしたと話している事件は、三淵嘉子さんの父が勤務していた台湾銀行が関わった帝人事件だと思われ、その事件の裁判官が石田和外さんでした。
帝人事件
1934年台湾銀行所有の帝国人絹株の売買に背任、贈収賄の疑惑があると、台湾銀行幹部や帝人重役らを検挙、5月には大蔵省幹部も収賄の疑いで相次いで逮捕されて政財界に大きな衝撃を与えました。
この事件で斎藤実内閣は総辞職、16名が背任罪・贈賄罪などで起訴されました。
左陪席裁判官を務めた石田和外さんはこの裁判の判決文で、「水中に月影を掬するが如し」と言って全員を無罪にしました。
水面に写った月を笏(しゃく)で救うようなものだという例え話で、事件は検察のでっちあげだと批判しました。
この裁判で石田和外さんは注目を集めました。
石田和外の経歴
1903年、福井市に生まれ、県庁職員だった父が46歳で亡くなった後、家族で東京に引っ越しました。
旧制一高から東京帝国大学法学部に進み、司法省に入省しました。
刑事裁判官となり、前述の帝人事件を担当して注目されます。
1943年、石田和外さんが裁判長を務めた裁判で、軍の意向を受けた検察官が裁判の公開中止を申し立てましたが、石田和外さんは拒否し、裁判公開の原則を貫きました。
1947年司法省人事課長就任、その後司法省は廃止になり、1948年から、最高裁判所人事課長・人事局長・事務次長を歴任後、東京地方裁判所長、最高裁判所事務総長、東京高等裁判所長官を務めました。
1963年最高裁判所判事となり、1969年最高裁判所長官に任命され、1973年定年退官しました。
数々の大きな事件を担当していました。
小学生の時から剣道をはじめ、剣道家としても有名です。
三淵嘉子との関係
石田和外さんは、裁判官採用願を提出した三淵嘉子さんを裁判官として採用することはできませんでしたが、三淵嘉子さんは司法省に入り、民法・家事審判法の立法作業、最高裁発足後は、事務局民事部第三課で親族法・相続法・家事審判所の仕事をしていました。
戦前、男子に限るという明確な規定はないのに、官吏(公務員)は男性だけでした。
新しい日本国憲法を読んで、三淵嘉子さんは女性でも裁判官になれるはずだと思って採用願を出しましたが、時期が早過ぎました。
でも、門前払いすることなく司法省で勉強することができ、1949年判事補として採用になりました。
石田和外さんの後押しがあって、司法省に入ることができたと思われます。
三淵嘉子さんと関わったのは、この時だけだと思われます。
もう1人モデルの人物がいる?
女子部法科で刑事訴訟法を教えていた草野豹一郎さんも、モデルの1人なのではという声があります。
三淵嘉子評伝「三淵嘉子と家庭裁判所の時代」に明治大学女子部の講師の名前があり、その中に草野豹一郎さんの名前もあります。
穂積重遠をモデルとした人物が穂高重親であるように、モデルとした人物と登場人物は似た名前のことが多いから、草野豹一郎と桂場統一郎も少し似ているので、モデルではないかと言われるのです。
女子部法科で教えていたことの他に、三淵嘉子との関係についてのエピソードはないようです。
草野豹一郎さんはのちに大審院(現在の最高裁判所)部長になっています。
1986年東京に生まれ、東京帝国大学卒業で、1926年大審院判事となりました。
1945年に退職して弁護士となり、中央大学法学部教授も務めました。
石田和外さんと草野豹一郎さんを合わせて、桂場統一郎になっているのかもしれません。
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まとめ
【虎に翼】の桂場等一郎のモデルは石田和外で、三淵嘉子との関係も解説しました。
- 松山ケンイチさんが演じる桂場等一郎のモデルは石田和外です。
- 1話で猪爪寅子が会いに行った人事課長が三淵嘉子さんの場合の石田和外さんです。
- 猪爪寅子の父の事件の裁判官が、実際の帝人事件の裁判官だからです。
- 石田和外さんは最高裁判所長官で、剣道家でもありました。
- 三淵嘉子さんとは、司法省人事課で裁判官採用願を受け取った人事課長ということだけだと思われます。
- 裁判官採用はすぐにはありませんでいたが、司法省入りの橋渡しをしたのかと思われます。
- もう1人モデルの人物かと思われる、草野豹一郎さんは明治大学女子部で刑事訴訟法を教えていました。
- 石田和外さんと草野豹一郎さんを合わせて、桂場統一郎なのかもしれません。
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